taichimurakami 21A/W “displacement seam jeans”

taichimurakami  21A/W  “displacement seam jeans”

綿 – cotton –   83%   印刷紙 – printed paper –  17%

入荷前からかなりの反響があった2021秋冬タイチムラカミの新作デニムジーンズ。今回はこのデニムにフォーカスを当てて使用されている素材・製法やテクニックを解説致します。

前回同様、”紙の糸”が使用された今回の2021秋冬コレクションはこの”紙の糸”を”DNA GENOME PAPER”と称した。

この”DNA GENOME PAPER”プロジェクトでは文字を印刷し記録を残すという紙本来の性質に加え、この衣料用に作られた特殊な紙に文字をプリント、スリット、撚りをかけ糸を製作。

さらにその紙糸をベースに様々な糸と合わせ、生地を製作。

紙糸に於いて、ランダムに黒く見える箇所は無数の文字(DNA)である。

”PAPER TREAD”

この「紙の糸」には日本が誇るいくつもの最先端製紙技術で生成されている。「紙の糸」とは、「抄繊糸(しょうせんし)」と呼ばれ、日本では既に奈良時代に存在し、麻や綿よりも古い歴史を持つといわれる。また糸を焼却しても有害物質が発生せずに分解される。紙は通気性が良く、比重が軽く、張りと強度をもつ。

”DNA PAPER DENIM”

【シャトル織機で作るセルヴィッチデニム】

縦糸に天然藍をかける事が可能なシャトル織機(旧式力織機)でなければ織ることができず、日本でも限られた地域(岡山)と職人だけの技術である。今回は本来は経糸が綿であるデニムにDNA GENOME PAPERを打ち込む事で、DNA PAPER DENIMを開発。経糸が朽ち果てた時に残る経糸からはDNAが垣間見れる。

【藍染めの技術】

限られた職人が作る藍染めデニムの特徴は、天然藍ならではの青。そして時を重ねるごとに醸し出される味わいである。また、糸を染める際、わざと中側を染めずに白く残す「芯白」と呼ばれる染色技術は、海外でも高く評価されている。

“DISPLACED SEAM”

元来は直線だったものが、破損され歪み「ズレ」た姿こそ完成であるとされ開発されたディテール。一本の直線のシームが、地震でずれた断層のように、ひびの入った壁のように、互いにずれながら構成される。

”DNA”

アイデンティティ。それはすなわちDNAである。DNAがあるかぎり自分を自分だと証明する。工業化された量産社会の世の中では、簡素化したプロセスの下で大量に同じモノが作られている。

そんな中、既製品を全て排除し、糸、生地、釦に至るまで独自に開発・製造し、仕上げることで、同じものは存在しなくなる。創り出すモノにDNAを遺す。それにより、モノ自体の存在価値を証明する。

”BLIND STITCH”

特殊なミシンにより施されるステッチ。本来は表に出ない様に使用されるが、特殊改造されたミシンにより強制的に可視化されている。

“STERLING SILVER  .925”

釦や付属には銀925が使用され、その全てがゼロから製作されている。銀925は空気に触れること硫化が進行するが、これは銀特有の特徴である。抗菌、消臭効果を有する。

“(UN)INTERCEPTION”

この製品には洋服を構成する際に必ず考慮するアームホールという概念がなく、縫製線のぶつかりを極力排除した、特殊なパターンで製作されている。上下左右に捻れる動きに対し、交点を取り除く事により、アームホールからにストレスを軽減させ、より動きにコミットすることを可能とさせる。

上記のように様々なテクニックやタイチ氏拘りの素材を詰め込んだ新作デニム。下記写真ではサイズごとのシルエットを紹介します。2モデルのスタイルをご覧下さいませ。

Model 175cm 60㎏ size 5    (通常44-46サイズを着用)

Model 176cm 71㎏ size 6    (通常46-48サイズを着用)

男性のファッションで普遍的なジーンズ。この永遠の定番とも呼べるカテゴリーをベーシックかつこれだけのオリジナリティを詰め込んだアイテムは他に類を見ないのではないでしょうか。

さらに履き込めば旧式力織機で織ったデニムは所謂ヴィンテージデニムの色落ちが楽しめます。これは所有者の特権になりますが、、、。

今季一押しのデニムを是非一度ご覧下さいませ。

ご質問などございましたらお気軽にお申し付けくださいませ。

皆様のご来店心よりお待ちしております。

SHELTER2 斉藤

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