先日”ポータークラシック”よりバッグが入荷いたしました。
実は1年以上前に当店よりオーダーしていた商品。大量生産が難しく納品がいつになるか分からないという条件の上お願いしていた待望のバッグです。
商品ラインナップはウエアが大半を占めるブランドですが、この”SUPER NYLON”というオリジナル素材を用いたバッグコレクションが絶大な支持を得ています。
”PC”が生み出したのは世界でも類を見ない、色落ちするナイロンバッグ。名作と呼ぶにふさわしい商品の誕生には、ドキュメンタリー映画が1本撮れそうな深いストーリーがございます。
デザイナーの吉田克幸氏は日本が世界に誇るカバンメーカー”吉田カバン”の創業者、吉田吉蔵氏の三男。
せっかくの機会ですので、以前特集したブログ記事を少し短くまとめて以下再掲載させていたきます。
ブランドのルーツはバッグにあり。初見の方は是非じっくりとご覧くださいませ。
“SUPER NYLON”はナイロンからデニムのような色落ちを味わいたいという挑戦的な発想から生まれた、ブランドを代表するファブリックです。
20代の頃、ドイツ・パリ・ロンドン・ニューヨークと留学をし、多くのカルチャーに影響を受けたデザイナーの克幸氏。
特に海外古着の自然な色落ちや経年変化、リメイクのテクニックなどに感銘を受けたことが、彼の物作りのルーツとなっています。
そうした感性と、他にないものを作りたいというプライドから”SUPER NYLON”の研究がスタート。
アイデアまではよかったものの、完成までには非常に長い年月と苦労があったと語られています。
そもそも世界的にもほぼ前例の無いナイロン素材の染色は、最初から苦難の連続でした。
既に着色されたナイロンには色がうまく入らず、何度実験を繰り返してもデニムのような綺麗な色落ちが現れてくれません。
考え抜いた末に生地をホワイトで製作し、そこから染色するというアイデアで研究は進行。
商品を形にしてから染め上げる製品染めという方法にたどり着きます。
染色によるの生地の縮みや、パーツ位置のズレなどを計算したパターニングや縫製も困難を極めます。
使用によって生地に馴染みが表れる革製品であれば、多少の誤差も魅力と出来たかもしれません。しかし選んだ相手はナイロン。使用後に形状が変化するものではないため、染色前の緻密な計算と職人さんの高度な技術が不可欠でした。
このように職人さんとデザイナーが二人三脚で商品を作り上げるスタイルは、父から受け継いだ吉田家こだわりの流儀。
依頼先の職人さんの知恵を借り、助言も頂きながら制作を進めることで、当初の理想を超えた完成品を目指します。
日本が世界に誇る吉田カバンの血が流れる商品に、一切の妥協が許されないのです。
ブランド側の理想と実際に作業をする熟練職人さんの根気が実を結び、2012年ついに”SUPER NYLON”の商品が完成となりました。
求めていたのは一般的なナイロンでは現れない、この不均一な色のムラ。ここから使い込むことでデニムのように色が落ち、さらに個性的でオンリーワンな姿を見せてくれます。
言うまでもなく製品は軽く、持ちやすくて便利。摩擦にも強いナイロンを使用し、耐久性にも自信ありです。
今回はオンオフともにお使いいただけるリュックとブリーフケースをご用意。
ブリーフケースはショルダー、リュックと3WAYでお使いいただける名作です。
ご質問などもございましたら、お気軽にお問い合わせいただけますと幸いです。
皆様のご来店・ご利用を心よりお待ちしております。
SHELTERⅡ 山崎