“Post Humanism”のテーマで発表された2017春夏コレクション。
「half-human, half-machine 」というアイデアで構成され、錆からの黄土色、茶色やプロテクターのようなディテール、
またガーメントの裏側を表に出すことで機械的な一面を表現しています。
BORIS BIDJAN SABERI ”J5”
ボリスビジャンサベリでは定番のレイヤードデザインジャケット。
普段はシンプルでパターニングが際立つジャケットですが
今回は先述の通り裏地の構築的なデザインが表に出た印象的なデザインです。
単純に裏側のデザインを表にしただけではなく、縫製も勿論表になります。
細部まで丁寧に仕上げられた縫製はもはや芸術の域に達します。
気になる裏地面は通常表になるデザイン。
しかしこちらも裏の縫製ではなく表の縫製、つまり縫製的にはインサイドの無い、
ともにアウトサイドのジャケットが完成したことになります。
ステッチがほぼ見えないように縫製され、通常のジャケットの
何倍もの手間をかけ製作されております。
得意のレイヤードデザインは表時の裏側に配置し
レイヤードスタイルと裏側の収納時はジャケットのディテールとして
視覚的に楽しませてくれるデザインです。
ここまでの説明を聞くとアヴァンギャルドなジャケットに聞こえがちですが
実は着用すると程よい個性の主張、
またワークやミリタリージャケットのような印象です。
これはボリスビジャンサベリ氏が様々なカルチャー(スケート・HIPHOP)で育ち
そこからのインスパイアで洋服作りを始めた氏ならでは感覚だと思います。
初め、腰履きのパンツに丈の短いTシャツは合わないことから、
2枚Tシャツを合わせタイトで長い着丈のTシャツを作成。(現在のTS1の原型)
ボリスビジャンサベリ氏の構築的感覚はここから始まりました。
現在ではP13やTS1などが定番アイテムとして馴染みがありますね。
そのアイテムルーツやパターンを見返して、感覚的に見るのも楽しさの一つです。
このジャケット通してボリスビジャンサベリの魅力を少しでも
感じて頂ければと思います。
SHELTERⅡ
斉藤