「cornelian taurus by daisuke iwanaga」カテゴリーアーカイブ

key hole boston / cornelian taurus by daisuke iwanaga

key hole boston “N.brown”

key hole boston “black”

“コーネリアンタウラスバイダイスケイワナガ”の2022年春夏の新作”key hole boston”。

今回は古典的でクラシカルな鞄のデザインを取り入れたボストンバッグがリリースとなりました。

シーズンテーマは[”COVER COLLECTION” / “覆う、補う”]。

このテーマには誰もが一度は見たことのあるフラップ式の伝統的なバッグのスタイルを改めて研究したうえで、ブランドが考える現代社会に必要な要素やデザインを補うこと。

そして今までコーネリアンが手掛けたことの無いジャンルのバッグを作ることでコレクションのバリエーションをカバーしていくという前向きな思いも込められています。

key hole boston “black”

当店では今回2色のカラー展開でこのモデルをご用意いたしました。

まずはブラックの方で、細かいディティールをご紹介していきます。

まず目に入るのが、中心でおよそ14cmほどある大きなフラップ。

いわゆる昔ながらのこのデザインは、100年以上前には既に創作されており、現代においても目にすることの多い一つの完成形と言えるかと思います。

見た目が美しく、さらに開け口に蓋ができるという考え方は非常に合理的ではありますが、中身が取り出しにくいというデメリットも。

そこに上手く改良を加えたのがこの上部のファスナーデザインです。これにより毎回フラップを開け閉めする必要がなくなり、大容量の収納を余すことなくご活用いただけます。

ゴールドのジップが走ることで、バッグの高級感、デザインの引き締め効果が起きているのも注目すべき部分ですが、あくまで主張は控えめ。正面から見た際に目立たないようフラップの内側に備え付けるという工夫がなされています。

もちろんジップを閉めた状態でフラップ部分を開閉いただくことも可能です。内側には3ヶ所マグネットが取り付けられています。

このフラップのハンドルを通す部分が「鍵」のように見えることからこのバッグは”キーホールボストン」と名付けられています。

私は初めてこのバッグの説明を展示会で受けた際、名前が先行し「鍵穴」をイメージしてしまいましたが、日本語にするならば「鍵型の穴」が正解です。

サイドにはスマホなどがしっかり入る深さ15cmほどのポケットが両側にございます。

内側に配されたハンドルはデザイン的な側面がありながら、革の馴染みが出てきた際の形状サポートの役割も果たしており、

カバンを左右で持ち替えたり、立ったまま荷物を取り出すなどの何気ない瞬間に手を掛けることも出来ます。

マチ上部の内側には付属のストラップが取り付けられる金具が配されており、ショルダーバッグとしての使用も可能です。

背面、底面は写真の通り。ゴールドカラーの底鋲も素敵です。

key hole boston “black”

ブラックはやはりスタイリングがしやすく、ヘビーユースには向いているように思います。

通勤、通学、その他毎日使うバッグをお考えの方。実用性を重視したい方はこちらがお勧めです。

key hole boston “N.brown”

しかしながらこちらのナチュラルブラウンのモデルが気になってしまうのが革好きの性。

使用しているブランドの定番素材、カウミネラルオイルは油分を大変多く含んでおり、使い込むことで革の瑞々しさが増していきます。

色が深まり渋みが増した完成像。ゴールドのジップも適度にくすんだ頃を想像すると、なんとも楽しみでなりません。

key hole boston “N.brown”

商品のご質問などもございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。

皆様のご来店心よりお待ちしております。

SHELTERⅡ 山崎

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“cornelian taurus by daisuke iwanaga” 2022ss new arrivals.

昨日”コーネリアンタウラスバイダイスケイワナガ”より新入荷がございました。

本日より店頭及びHPにて販売をスタートいたします。

今期の新作アイテム”key hole boston”。

昨年末に開催したパーソナルオーダーイベントでは、ブラックのサンプルは店頭に展示させていただきましたが、ナチュラルブラウンのモデルは初のお披露目となります。

人気の”turtle RUCK”も再入荷。是非この機会にお買い求めくださいませ。

“cornelian taurus by daisuke iwanaga” COLLECTION

商品に関するご質問などもございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。

皆様のご来店心よりお待ちしております。

SHELTERⅡ 山崎

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[開催中]”cornelian taurus by daisuke iwanaga” パーソナルオーダー会 & / 展示即売会

明日12月14日(火)まで開催中の”cornelian taurus by daisuke iwanaga” パーソナルオーダー会 & / 展示即売会。

土日は多くのご来店、誠にありがとうございました。

コーネリアンのアイテムを既に複数ご愛用中のファンの方から、インスタグラムなどを見て初めてご来店くださる方まで、多くの方にお楽しみいただけており大変嬉しく思っております。

今使われているバッグの買い替えやお財布の新調、お仕事で使う小物選びなど、皆様目的をもってご来店をいただいており、それにお答えできるバリエーションがブランドのご協力により実現しております。

是非お時間ございましたら、この機会にご来店くださいませ。

先月連載いたしました特別企画 “process”も多くの方にお読みいただいたようで嬉しい限りです。

完成までご覧いただいた私のバッグも会場にございます。是非仕上がりご覧くださいませ。

cornelian taurus by daisuke iwanaga 特別企画 “process” 

バッグと合わせて今回私が気になっているのはこちらの新作ブレスレット。

お値段もお手頃で、カウレザー、オーストリッチ、クロコダイルとカラーバリエーションも豊富です。

オーダーいただいた商品は4~6月頃に納品となりますので、半袖になる季節にジャストタイミングでお楽しみいただけます。

詳細ご興味ございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。

ご来店が難しいお客様には、各モデルに使用できる素材、カラーなどできる限りわかりやすく、メール、お電話でご説明させていただいております。

何かご質問などございましたら、どうぞご遠慮なくご連絡いただけますと幸いです。

イベント詳細はこちらから

皆様のご来店心よりお待ちしております。

SHELTERⅡ 山崎

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2022春夏ご予約会 12月4日 (土) ~

いつもSHELTER2をご利用頂きありがとうございます。

先日のブログでも告知しておりました2022春夏の先行ご予約会が本日12月4日(土)よりスタートとなります。

商品ページにはそれぞれ次回の入荷予定商品のサンプル画像、入荷予定サイズ、簡単な説明文を掲載。

当店ウェブ会員様はホームページにログインいただきますと、トップページのブランドリスト内に[2022春夏ご予約会]が表示され、そちらのページから商品の閲覧が可能です。

当店HPへの会員登録がまだのお客様は是非この機会にご登録下さいませ。

★ご登録手順とご予約の流れ★

ホームページ最下部の【会員登録はこちらから】をクリック

↓↓↓

各種必要事項記入後【登録完了】

↓↓↓

登録後、ホームページ最下部の【ログイン】をクリック頂き会員ページへ。

ブランドリスト内に【2022春夏ご予約会】が表示され、そちらから特設ページをご覧いただけます。

ご予約・入荷連絡のご希望やご質問等は商品ページの【Contact】よりメール、もしくはお電話でお気軽にご連絡いただけますと幸いです。

店頭には一部ブランドの生地サンプルやカタログなど、より具体的に商品をイメージいただける資料もご用意しております。

どなたでもご覧いただけますので、ご興味ございましたら店頭スタッフにお気軽にお声がけくださいませ。

皆様のご来店心よりお待ちしております。

SHELTERⅡ

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cornelian taurus by daisuke iwanaga バイイングレポート vol.3 & パーソナルオーダー会 & / 展示即売会 12月11日(土)ー 14日(火)

本日は2022春夏conelian taurus by daisuke iwanagaのコレクション情報とパーソナルオーダーイベントのご案内です。

cornelian taurus by daisuke iwanaga 2022  spring & summer collection

“覆う、補う、カバー”  ”cover collection”

2022春夏シーズンはカバーコレクションをテーマに、覆う、補う、カバー(オマージュ)という3つの切り口でコレクションを表現しました。

覆う:デザイン、機能的にカブセをつけることで、覆うことにより中に入れるものをプロダクトするデザイン。

補う:過去のコレクションを含めてラインナップの中であまり作ってこなかったもの、コレクションとして補うモデル。

カバー(オマージュ):機能的側面からのツールバッグ、アイコン、クラシックな側面からカブセ付きのバッグ。これらをアレンジしたモデル。

※新作のKey hole boston

バッグをクリエーションする岩永氏にとって、現代社会に必要なもの、過去から引き継がれてきたスタンダードなものに、得意とする造形的な表現、素材の動き、日本的手作業をどのように組み合わせていけるかというチャレンジ的な側面もありました。

今までのコレクションと違った側面で定番、スタンダード、クラシックを捉えながら創作していく過程で様々な発見があり、新たな表現が出来ました。

cornelian taurus by daisuke iwanaga

パーソナルオーダー会 & 展示即売会 12月11日(土)ー 14日(火)

店頭には来季の新作を含む多数のサンプルが到着。

多くのサンプルの中から、お好みの素材、カラーをお選びいただき

パーソナルオーダーをいただくことが可能です。

※オーダーいただきました商品は約5~6か月後にお渡しいたします。

昨年より年1回のオーダー会となっておりますので

是非この機会にご来店くださいませ。

※昨年のオーダー会の様子 クロコダイルを使用したコレクション

※昨年のオーダー会の様子 シーズンの新作を一足早くご覧頂けます。

※昨年のオーダー会の様子 財布・小物類のサンプルも豊富にご用意しております。

またご来店が難しいお客様には、各モデルに使用できる素材、カラーなどできる限りわかりやすく、メール、お電話でご説明させていただきます。

気になる商品ございましたらどうぞお気軽にご相談くださいませ。

皆様のご来店心よりお待ちしております。

SHELTERⅡ

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cornelian taurus by daisuke Iwanaga 特別企画 “process” vol.4

[連載] “cornelian taurus by daisuke Iwanaga “特別企画”process”

毎日頭を悩ませながら書き進めてきたこの連載も、いよいよゴールが見えて参りました。

このvol.4でいよいよバッグが完成いたします。どうぞお楽しみくださいませ。

※過去3つの記事をまだご覧頂けていない場合は、下記リンクより順を追ってご覧ください。

“process” vol.1

“process” vol.2

“process” vol.3

前回の取材から日を改めて、この日最初の作業はベルトの穴開け。

まず型紙で穴の位置に印付けを行います。

台の上にベルトを置き、棒型の工具の上からハンマーで強く叩くと綺麗に穴が開きます。

実はこの作業、私も数か所トライさせていただきました。

岩永さんのお手本を見させていただき、しっかり力を入れて叩いたつもりでしたが、最初は綺麗に穴が開けられず革の丈夫さを実感。

手作業の緊張感を肌で感じつつ、なんとかベルトにすべての穴を開けることができました。

バッグのメインの部分は前回の取材からこの日までの間に、少し作業を進めていただいておりました。

バラバラだった4枚のパーツが写真のように綺麗に繋がり1枚に。

そしてこちらは裏側。白の芯地が付き、いかにも製作途中といった状態に見えるかと思います。

この芯地は最終的に別の生地で覆われるため、完成するとすべて見えなくなりますが、革のハリを整えたり、製品強度を高める上で無くてはならない存在。重要な役割を果たしています。

やや白が濃くなっている箇所には、芯地を貼る前に革に直接補強テープが貼られています。

柔らかくなりがちな革端のあたりに僅かな補強を加えることで、全体のハリや厚みを均等にするのがこの処理の狙い。

革の状態やバッグのデザインに応じて岩永さんが貼り具合を調節されているそうで、1点1点テープの幅や貼り方が異なります。

上の写真のものはバッグの裏地。こちらも事前に作っておいていただきました。

ベルトの先を入れ込むホールの部分もすでに備え付けられており、筒状になった状態で革と一緒に縫い合わせていきます。

ここからはいよいよ最後の縫製作業です。

ベルトの連結パーツから順にメインの革と縫い合わせていきます。

先ほど穴を開けた2本のベルトもこの時点で取り付けられます。今回制作いただいているモデルは2つの持ち手が付くトート型。左右均等にボディーと縫い合わせていきます。

パーツの取り付けを終えた後は、革の端と端を縫い合わせいよいよ筒状のバッグの形にしていきます。

コーネリアンのバッグは基本内縫いで制作されているため、完成形は表にステッチが出ることはほとんどありません。

写真のように裏向けの状態で縫製作業が進められ、最後に表に返して完成という流れが主になります。

上の写真は内側に裏地を入れ込み、バッグの開口部で縫い合わせているシーン。

バッグを筒状にしてからの作業は、針を落とすポジションが取りずらく、一筋縄では行かない様子です。

デザインを少し変えて作業工程を見直せば、こうした難しい縫製は避けられるそうですが、このリスクをあえて取ることで、他ブランドのバッグではあまり見られない仕上がり、独自性が生まれます。

難しい箇所が綺麗に縫えた時や、いつも苦戦する作業をスムーズにクリア出来た時は、バッグを作り始めて20年近く経った今でも嬉しいと語る岩永さん。

ここまで拘りを持って活動ができるのも、結局は「ものづくりが好き」であることが最大の原動力なのかもしれません。

縫製作業が完了し形を整えると、見覚えのある内ポケットとレザータグが姿を現しました。そしてこのままバッグを裏返し。

ついに表革が姿を現しました。内に付けた裏地の底を縫い合わせこの段階でバッグとしてはほぼ完成です。

残す最後の仕上げはベルト穴のコバ塗り。専用の塗料で穴の内側を一つ一つ着色していきます。

岩永さんの粋な計らいで、最後の作業は私がすべて行うことに。

まだかまだかと待ち望んでいた自分のバッグですが、この仕上げを終えればこの取材も終了かと思うと少し寂しさすら感じました。

岩永さんを始め、この企画にご協力いただいたブランドメンバーの皆様には本当に感謝しかありません。

ついにバッグが完成いたしました。

今回製作頂いたのは2019年秋冬コレクションで発表された”hand piece flat”というモデル。

どのモデルでオーダーするかは相当悩みましたが、自分らしくクロコダイルを使いこなせればと思い、カジュアルなデザインのこちらを作っていただくことに決めました。

シンプルだからこそ引き立つフロントの1枚使い。ここから使い込んでいく事で、腑模様がさらに立体的になっていくと思うとこの先の変化も楽しみでなりません。

革は自然から頂く大切な天然素材。

私たち人間がレザーを活用し「ファッション」として楽しめることの贅沢さを感じながら、このバッグをできる限り長く愛用していけたらと思っています。

一つ一つのディティールにも本当に思い入れがあります。

私自身このブランドのアイテムをいくつも愛用し、魅力は取材以前より理解していたつもりでしたが、今回製作の舞台裏を見せて頂き、思いもよらない小さな部分に興味深い哲学があることを知りました。

本来一つのバッグを作品として見る場合、作り手の細かな拘りはあまり表に出るべきものではないのかもしれません。

しかしながら、こうした影の努力が間違いなく商品の魅力を強く引き上げており、使う人にも是非知っていただきたい価値のあるストーリーであると、この取材を振り返りながら私は強く思います。

以上を持ちまして、今回の特別企画”process”は完結。

ここまで記事を読み進めていただきました皆様に改めてお礼を申し上げます。

私にとって今回の取り組みは今までの人生で経験した事のない一つのチャレンジでした。正直この素晴らしいブランドの魅力を100%伝えるにはまだまだ力不足だったように感じます。

しかし取材を進めると、仕事に対しての向き合い方や、より高みを目指す岩永さんの姿勢を肌で感じ取り、当初想像していた企画内容を遥かに超える濃い情報をお届けできたようにも思います。

この連載を通じて”cornelian taurus by daisuke iwanaga”の魅力をより深く感じて頂くとともに、皆様のお仕事や今チャレンジしている事、日々の生活のヒントとなる何かを感じ取っていただければ幸いです。

SHELTER2 山崎

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cornelian taurus by daisuke Iwanaga 特別企画 “process” vol.3

[連載]”cornelian taurus by daisuke Iwanaga “特別企画”process”

今回のvol.3では裁断後の革が、岩永さんの手によって徐々に姿を変えていきます。

前回、前々回の記事をまだご覧頂けていない場合は、先にそちらからご一読くださいませ。

“process” vol.1

“process” vol.2 

裁断後にまず作っていただいたのがベルト。バッグの持ち手の部分です。

長さが必要になる帯状のパーツは、主にテール部分が使用されます。

今回のバッグのベルトは編み込みなどを行わないシンプルなデザイン。2枚の革が重なって完成形は表裏どちらも表革となります。

表面は1本途切れのない革を使用し、裏面は2本の革を繋ぎ合わせ。最後は表裏を縫い合わせて完成という流れです。

縫い合わせる前に使用するのがこの革漉き機。マシンの間にレザーを通すことで部分的に厚みを薄く削ることができます。

そしていよいよ縫製作業。ミシンが登場です。

色が変わっているベルトの先端が、先ほどの機械で漉いて薄くした部分。

表面を内向きにして重ねた2枚の革を縫い合わせます。

短い部分ですので一瞬でしたが、中央がステッチで縫い合わされました。

ステッチ部分を中心に2枚の革を開き、縫い代を折り返すと1本につながったベルト状のパーツが完成。

合わせる部分の厚みを薄くした事で、革の重なる部分が膨らまず非常に自然に仕上がります。

腑の並びに合わせて繋ぎ目を決めているので、仕上がりも非常に綺麗です。あまりに自然で一見どこを縫い合わせたのか分からない程でした。

次は表裏の革を重ね合わせる作業。レザーと相性の良いゴム糊を使用して2枚を貼り合わせていきます。

2つのパーツは同じ長さで作っているため、ズレないように綺麗に重ねるのが重要。力が入ると微妙に革が伸びてしまうため慎重に扱います。

重ねた革はハンマーで叩いて隙間なく接着。

糊で付け合わせた状態で端を綺麗にカット。形を整えます。

測っても狂いの無い真っ直ぐなベルトパーツが完成。右は同時進行で作られたベルトループのパーツです。

形がしっかり整った後は、周囲をミシンで縫い合わせていきます。

ミシンを扱い始めて既に20年以上になる岩永さん。最初のころは全然上手に縫えなかったと感慨深く仰られていました。

縫い代はほんの数ミリ。際どい部分に淡々と針が降りていきます。

小さなパーツも同様に縫い合わせ。

横で見ている側としては、思わず固唾を呑んでしまう非常に細かい作業です。

縫製作業が終わりベルト作りも大詰め。こちらのマシンを使って切りっぱなしの革端の部分、「コバ」を処理していきます。

高速回転するマシンにコバ部分を当てて、断面が均一化するよう磨きをかけていきます。

処理が荒いと革が劣化しやすく、見栄えも良くないため、革製品においてこの工程は不可欠。

最後は軽く湿らせた布を指に巻き付け、風合いを整えていきます。

特に必要のない作業かもしれないと岩永さんは仰られていましたが、この仕上げも昔から続けているとのこと。

バッグを使うときに必ず手が触れる箇所でもあるため、ご自身の手で丁寧に仕上げていきます。

コーネリアンのバッグを持った時に感じる自然な心地よさ。言葉でもうまく言い表せないあの特別な感覚は、こうした一手間の積み重ねから生まれているのではないでしょうか。

裁断後からおよそ2時間ほどでベルトパーツが完成。

ここまでご覧いただいた裁断からベルトの製作までを約1日かけて進めていただきました。

次回はいよいよバッグが完成に近づきます。vol.4の更新も楽しみにお待ちくださいませ。

“process” vol.4

SHELTER2 山崎

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cornelian taurus by daisuke Iwanaga 特別企画 “process” vol.2

[連載] “cornelian taurus by daisuke Iwanaga “特別企画”process”。

Vol.2からはいよいよ実際のバッグの製作風景、作業の手元をご覧いただきます。

vol.1をまだご覧になられていない方は是非そちらから順にご覧くださいませ。

“process” vol.1

前回の記事でもご説明した通り、このブランドのエキゾチックレザーコレクションはすべて神戸のアトリエで生産されています。

裁断、縫製などの主な作業をデザイナーの岩永さんが自ら担当。世界中からのオーダー分をすべて手作業で作り切ります。

コーネリアンが使用しているクロコダイルレザーは世界一の飼育技術を持つファームで育てられたハイクラスの素材です。

ファッション業界のトップメゾンも多く使用しているこの革は、クロコ特有の迫力、力強さがありながらも触ると柔軟性も感じられ滑らか。

ダイナミックさと上品さを掛け合わせたブランドのスタイルと実にマッチしたレザーと言えます。

クロコダイルの最大の特徴は何といってもこの独特の模様、立体感。

綺麗な腑の並びは人が描いたグラフィックではなく、動物そのものの自然美であることに価値があります。

ワニ革の取り扱いは、絶滅危惧種保護を目的とし世界約170カ国の間で結ばれている「ワシントン条約」によって厳しく管理されているため、野生種の商用取引を行うことはできません。

そのためこうした製品に使われる革は主に食肉用としての養殖。国際法で保護されるような希少動物であるが故に、飼育も非常に難しく莫大なコストもかかります。

世界的にも仕入れ先が少ない中で、岩永さんは昔から関わりのあった貿易会社の協力により今の仕入れルートにたどり着き、現在のコレクションが実現。高い品質を保ち続けるのも容易ではありません。

上の写真のものが裁断をしていない届いたままの状態になります。

写真で見て上部がヘッドで下部がテール。中央に縦に走る背筋から左右に腑模様が広がっています。

こちらの個体で幅は約44cm。牛革や馬革などと比べるとかなり小ぶりにはなりますが、仕入れ価格は何倍も高額です。

クロコの場合もまず大変なのが、型紙を当てての裁断準備。

スムースレザーと違い表の腑の並びがそのままデザインとなるため、完成像をイメージしながら革の状態も意識しなければなりません。

おまけにサイズも小さいため、この作業は非常に難解。答えのないパズルのようです。

バッグのメインパーツには腑の大きい背の部分を贅沢に使用します。

カバンの正面中央と背筋の縦のラインを綺麗に合わせた拘りのデザイン。クロコは特に溝の部分に伸縮性があるため、ズレが出ないよう型紙の中央を折って確認しながらポジション決めていきます。

決定した切込み箇所は白のペンで印付け。後から採る細かいパーツの事も計算に入れて準備が進みます。

いよいよ裁断がスタートです。手際良く作業が進んでいきます。

使われている革包丁はこまめに手入れされた切れ味の鋭いもの。

クロコは凹凸が全面にあるため他の革よりも裁断が難しく、切り損じに注意して勢いよく刃を入れていきます。

今回制作いただいているバッグは、最初にお見せした1体分の革の他に、別の個体から取るパーツが組み合わさります。

複雑なデザインのものからシンプルなものまで、商品パーツの形やサイズは多種多様。

出来栄えを最優先しながらも、残り革の多くを処分してしまっては意味がありません。余った部分は他のバッグに使えるようなるべく広く綺麗に取り分けます。

全モデルの作り方が頭に入っているデザイナー本人にしかできないとても重要な作業です。

基本クロコの模様は外に向けて腑が小さくなるため、端の方が柔らかくより慎重に扱わなければなりません。ヘッドの部分から採るパーツは写真のようにギリギリ。注意が必要です。

手際よく作業が進む中、時折手を止めてじっくり考え込まれる場面が私にはとても印象に残りました。

今まで数えきれないほどのバッグを作ってきた岩永さん。言ってしまえばこの作業も日々のルーティーンのようなものですが、流れで作業するような様子は一切ありません。

一点のバッグに真剣に向き合いベストを尽くすその姿。圧倒的な覇気を感じます。

夢中で写真を撮りながら、作業を追いかけているうちに革が次々と捌かれていきます。

残った革は一つにまとめて、別の製作に使えるよう大事に保管されます。

小さな切れ端も細かいパーツや財布の一部などに使用され、処分されるのはほんの一部のみ。

この取り組みを蔑ろにしてしまうと、仕入れコストが高くなり商品価格にも影響が出てしまいます。

革は世界最古のリサイクル産業と言われ、古くから食肉の副産物として人々の生活に多く貢献してきました。

そうした背景からも素材を無駄なく扱うのはとても大切。無くてはならないリスペクトです。

ズレなくまっすぐにカットされ、最初の野性的な姿から少し製品らしさが出てきました。

本日の投稿はここまで。次回はミシンを初めマシンがいくつか登場し、裁断された革が徐々に姿を変えていきます。

次回の更新も是非ご期待くだいませ。

“process” vol.3

SHELTER2 山崎

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cornelian taurus by daisuke iwanaga 特別企画 “process” vol.1

当店と同じ神戸を拠点に活動を行っているバッグブランド”cornelian taurus by daisuke Iwanaga”。

現状のコロナ禍において移動が制限される中、この距離の近さを活かした特別企画を本日よりスタートいたします。

お届けするメインテーマは一つのバッグが出来上がるまでの”プロセス”。革の仕入れ背景から実際の作業の様子まで、複数回のアトリエ訪問にて密着取材をさせていただきました。

この企画で世界初公開となる情報も多く、この場を借りてブランドメンバーの皆様には改めてお礼申し上げます。

具体的にお見せするのは、わたくし山崎がオーダーさせて頂いたバッグの製作風景。

今の仕事に就く前から大ファンだったブランドに全面協力いただき、念願のクロコダイルのカバンが目の前で出来上がります。

公私混同となり大変恐縮ですが、私がこの企画で得た学びと感動、そして何よりもブランドの魅力をこの特集を通じて皆様と共有できますと幸いです。

※この企画は毎週1回更新の全4~5回で当店ブログページよりお届けいたします。

ブランドがアトリエを構えるのが、神戸の中心地「三宮」から電車で2駅のエリア「王子公園」。

南北にそれぞれ海と山が隣接する爽やかなロケーションで、穏やかな空気が流れています。

もっとも有名なスポットはパンダの居る動物園「王子動物園」。神戸生まれの人間にとっては、とても馴染み深い街と言えるでしょう。

駅からほんの数分歩くと見えてくるブランドの本拠地は、真上を電車が走る高架下。

写真で見て左側がアトリエ。隣にはギャラリーが併設されていて、一般クリエイターへのスペース提供も行っています。

数分おきに電車の走行音があり一見集中しづらい環境にも思えますが、大きな音の出る作業があまり周囲を気にせず行えるというメリットも。

こうした立地を好む職人の方も多いとのことです。

雰囲気のある木のドアを開けるとそこには道具や資材がぎっしり。まさに職人の仕事場といった景色が広がります。

ここがコーネリアンタウラスのアトリエです。

吹き抜けた上階と地下室も存在し、まるで秘密基地のようなレイアウト。ここで日々バッグが作られているかと思うと興奮せずにはいられません。

中央には大きな作業台。そしてそれを取り囲むようにミシンなどの機械類。

このアトリエでは主にクロコダイル・オーストリッチレザーの商品製作に加え、新作の考案やサンプル作りなどが日々行われています。

ブランドの象徴的なバッグのハンドルもすべてここで制作。実はこの部分の製作はデザイナー岩永さんのお父さんが主に担当なさっています。

元々潜水士のお仕事をされていたこともあり、手先の器用さはメンバー内でも随一。この日も非常に丁寧に作業をなさっておられました。

第一回目の取材では実際に作業を見せていただく前に、使用しているレザーについてお話しを伺わせていただきました。

まず見せて頂いたのはブランドの看板素材の一つ、カウミネラルオイル。

油分をたっぷり含んだ上質な牛革は、多くの人気アイテムに使用されている国産品です。

この革の鞣しを担当しているのが、日本トップクラスのタンニン技術を有し海外からの評価も高い「栃木レザー株式会社」。

80年以上の歴史を持つ腕の確かなタンナーが手掛ける、拘りの天然皮革が多くの名作の素となっています。

革のサイズはデシという単位で図られ、[1デシ=〇〇円]といった値付けに基づいて素材の仕入れが行われます。

裁断前に行われるのが、素材一つ一つの個体差に合わせたパターンの割り当て作業。

革は生きた動物から得られる副産物のため、タテヨコの縮尺に自由は利きません。限られた枠の中どのバッグをどのように作るかという計画がとても重要です。

天然皮革は当然のことながら傷やスレも少なからず点在。

1枚の革の中でも箇所によって質感や硬さも異なる中で、極力無駄なく素材を使い切れるよう、悩みながら型紙を置いていきます。

使用している型紙はすべて岩永さんが手書きで仕上げた言わば設計図。ここまで披露いただくのは本当に貴重です。

直線は定規を用いてまっすぐ引かれるそうですが、曲線部は基本フリーハンド。道具を用いず感覚的に引くことで、細かい部分にもオリジナリティーが生まれ、自分なりに納得のいくデザインが起こせるそうです。

写真で岩永さんが手に持っているのは、2021秋冬の新作”tower RUCK PRO”のサンプルモデル。

企画段階で制作したものを実際に使ってみる事で改善点が見つかり、その都度パターンにも修正がかけられます。

コーネリアンの商品を使えば使うほど、シルエットに個性が出るのもこの過程から。

革が馴染んだ後の表情、角の出方やラインのゆがみなども細かく考察し、使い込んだ後の仕上がりも踏まえてデザインしていくというわけです。

商品が完成し展示会で発表した後は、販売店からのオーダーを取りまとめ素材を手配し生産がスタート。エキゾチックレザー以外の製作は、パートナー企業に生産依頼を行います。

コーネリアンの商品はその独自性から、一般的なバッグ作りには用いない特殊技法や細かい工程が必要なため、作業を引き受けてくれる工場の存在は非常に貴重です。この間のコミュニケーションは商品の仕上がりに直結するため、日々丁寧な打ち合わせが行われ、現場で使用される仕様書は岩永さんの手によって綿密に作られています。

長い付き合いとなるこの依頼先はバッグ業界の超ベテラン。実際作業をするのも腕利きの職人の方が多く、岩永さんも絶対的に信頼しているブランドに欠かせない存在です。依頼をする上でのやり取りの中で新しいアイデアが生まれたり、アドバイスを受けてさらに商品が良くなることもあるそうです。

今回はvol.1ということで、商品を作る前段階の裏の部分をご覧いただきました。

次回からは本題のクロコダイルレザーが登場し、実際の作業風景をご覧いただきます。何卒ご期待くださいませ。

“process” vol.2

SHELTER2 山崎

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“cornelian taurus by daisuke iwanaga” NEW ARRIVALS

本日コーネリアンタウラスの今期最終納品がございました。

PCケースとしてお使いいただける”slide clutch”の綺麗なマスタードカラー。

完売となっておりました人気のミニウォレット”connect wallet MINI”が再入荷しております。

slide clutch  47,300円(税込)

connect wallet MINI  27,500円(税込)

ご質問などもございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。

現在開催中の秋のイベントも大変好評です。

是非この機会に秋のお買い物お楽しみくださいませ。

詳細ブログはこちら

皆様のご来店・ご利用お待ち致しております。

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