【taichimurakami】
今回はVol.2という事で早速、”taichimurakami”から始めます。
写真を見ての通り、村上氏が展示会場に選んだロケーションは鎌倉。
私も聞いたときはなぜ?鎌倉となりましたがその答えは展示会場に着いたときに明確になりました。
築100年以上の古民家をフルリノベーションした一日限定1組の宿泊施設での開催。
純和風で趣ある室内のデザインやレイアウトはtaichimurakamiの製品の雰囲気と絶妙に合います。
村上氏が「僕の服東京っぽくないでしょ?鎌倉良いところだよ。」と言っていた理由もよく分かりましたね。
たしかに綺麗なギャラリーではこの独特の村上ワールドは表現しにくいが、ここまで自身のアイデンティティを空間と形にしてプレゼンテーションするブランドは正直なかなか無いです。
今回のテーマは20秋冬から引き続き”紙の糸”にフォーカスしたコレクション。
【S/S21 -Paper Genome Project 2.0】と命名され、さらに進化したコレクションになりました。
今回村上氏が着目した点は、【見える】【見えない】という事。
初めに【見えない】点に関しては20秋冬で使用した、”紙の糸”の事。
プリントした紙をシュレッダーのような機械でスリット上にしたところまでは文字が【見える】が糸にするため撚りをかけてしまうと見えなくなってしまう。
これを洋服にしたときに【見える】ようにしたいというところから始まった21春夏。
本来細胞は目で見えないもの、しかし村上氏は見えたら面白いんじゃん!、飽くなき探求心と挑戦の意。
そして出来上がった新しい”紙の糸”は製品にしてもプリントを目視(正確にはルーペで見たり、携帯で撮って拡大すると)出来ます。これは実物を見ると驚愕です。
※度詰めのスウェット生地
※機械編みニット
※手編みニット
どうでしたか?確実にプリントが見えていましたよね。
これに関しては展示会場で村上氏とエグいと言いながら盛り上がったことを思い出しました。彼にこの技術は気持ち悪い(いい意味で)と言ったらかなり喜んでましたから。
何が本当で何が嘘か、本来見えているものが見えなくなり、見えないものが見えるようになる、物事の本質は何か?と問いただされているような感覚。
答えは洋服の中に隠されているのかもしれません。まずは着ないと分からないってことですね。
展示会場のあまりの雰囲気と心地よさに4時間ほど滞在した鎌倉。とにかく素晴らしいコレクションでしたね。
帰りの新幹線に間に合うように足早にタクシーから由比ガ浜を眺めての鎌倉出張終了です。
【toogood】
今回ブランド側の提案としてはリモートでのオーダー。上記写真のWEBサイトからルックやアイテム画像を見て発注するという仕組み。これは先のボリスのような感じです。
しかしながら国内代理店が双方のリスクを避けるということに注力し、
日本のクライアントにはちゃんとサンプルを見て発注して頂きたいという強い想いから、素材と型がすべて確認できる最小限のサンプルを本国のイギリスから取り寄せることが出来ました。
それにより東京での展示会が可能になったという流れです。
展示会に行く前には本国からリモートオーダー用に届いた生地サンプルスワッチで良さそうな生地や、WEBサイトで気になるアイテムをチェックし、おおよその素材や型を絞り込み。
という流れ展示会場に訪れたわけですが、ここでリモートの難しさ、生地サンプルだけでは測れないことを実感。
良さそうと思っていた生地が洋服の状態だと全然印象が違ったり、
また逆のノーマークだった生地がめっちゃよかったり、
実際に見て、着て、感じてみないと分からない事だらけです。
ここ数か月リモートでのオーダーにも慣れ、しっかりとオーダーも出来ていたような感じでしたが、本来バイイングはこういうものだと再認識。
感染症対策の為、各社持ち時間が1時間半というかなりタイトなタイムスケジュール、無駄な時間は取れません。
試着した時に雰囲気を見るために、ちゃんとtoogoodのBAKER TROUSER履いていきました。ここからはかなり急ぎ足。
写真は来季一押しのTHE FARRIER(蹄鉄工)JACKET。これが型・生地ともの事前チェックの段階でノーマークだったアイテム。
もしリモートでオーダーしていたらと思うとぞっとしますね。ともかく自分の目で見て感じてセレクトできた点は良かったと思います。
ほんとに代理店の努力に感謝です。
今回のtoogoodの展示会でリモートオーダーに慣れてきていた自分に喝が入りました。今後のリモートオーダーは慎重に。
【PORTER CLASSIC】
以前は違う店舗で展開していたPORTER CLASSICですが、今回新たにSHELTER2のセレクトブランドとして加わることになりました。
日本の伝統を洋服に落とし込むあたりは当店のアルチザンブランドより職人気質かもしれません。
SHELTER2での展開という事で内容も考えながら吟味しましたので興味深い内容になったと思います。
ポータークラシックは東京で展示会を開催しましたが、ちょうどその頃東京での感染者が増えてきていた時期という事もあり、東京出張を断念。
リモートオーダー体制が整っていない状況でのオーダーはかなり四苦八苦しました。
写真のカタログからまず、気になるアイテムをチェックし、それを担当の方に連絡。
その後着用写真など詳細のやり取りを行うという流れでしたが、写真も撮り方ひとつで見え方も変わります。
モデルの体型が合う合わないでも見え方がかなり変わります。
非常に難易度が高いオーダーになりましたが、こちらも代理店の方が事細かに説明してくれて理解出来ました。
ほんと皆さんの努力に感謝いたします。
この様に色々な人に助けられてオーダーが出来ている21春夏は今まで以上に思い入れの強い商材が揃ったと思っています。
来春はそんな商材と共に皆様とファッションを楽しんでいけたらという思いです。
バイイングレポートVol.3(最終話)はスタッフ山崎が書きますのでこうご期待下さいませ。
また12月5日(土)からは当店ホームページで21春夏のご予約会もスタート(WEB会員限定)します。一足先に内容をチェックできますので是非ご覧下さいませ。
SHELTER2 斉藤