“GUIDI”が長年作り続けているブーツスタイル「バックジップ」。
「革の靴下」と揶揄されるほどの足馴染みが評価され、世界中で愛されているブランドアイコンの1つです。
今回ご紹介するのは複数あるラインナップの中で、シャフトの短いショートタイプ。
底に頑丈なラグソールを取り付けた、大変パワフルな1足です。
品番 : 796V_N
素材 : HORSE FULLGRAIN
100年以上の歴史を持つ世界屈指のレザータンナーが作る逸品。素材を皮膚のように扱い、革が足に馴染んでいく過程の魅力を我々に教えてくれます。
今からご紹介していくのは、ブランド内でも最も人気のあるホースレザーの表革を使用したもの。履いていくと表面にはきめ細かなシボが入り、さらなる躍動感が加わります。
斜めに作られたシャフトは足を入れると縦に持ち上がり、全面には波打つようなシワが現れます。
1枚革で作られたプレーンなシャフトに、自分でシワを入れながらじっくりと楽しむのが醍醐味。
足型や歩き方に合わせて革が馴染むので、”グイディ”の製品は履く人を選びません。
(実際の経年変化のご紹介は、この記事の最後に別ブログのリンクを掲載しております。)
こちら品番”796V_N”。後ろの”N”はのルウィージャンを意味し、製靴方法を表しています。
登山靴などに古くから使われてきた伝統的な技法でソールとアッパーを繋ぎ合わせ、頑丈でワイルドな外観が特徴。
革の保護、ステッチの強化、防水性への配慮などを経て生まれたテクニックは、コバの張り出しが目立ち、ステッチは意匠的にも映ります。
ソールは安心安定のヴィブラム社のものを採用。
過去にその他のブログでも触れましたが、元々ヴィブラムソール誕生のきっかけは、創業者”Vitale Bramani”氏の悲しい過去の経験にあるそうです。
会社設立以前、当時登山家であった同氏はアルプス山脈での遭難事故で友人6人を亡くしてしまいます。
その事故の原因とみなされたのが、登山に適さない靴の着用。そうした事故を二度と起こさないため、彼は登山用ソールの開発を決心し、今や世界トップソールメーカーと登り詰めたのです。
人の命を守るために作られたゴムソール。それはもちろん滑りにくく、言うまでもなく強度にも優れています。
使用しているジップは日本のファスナーメーカー”YKK”の最高級ライン”EXCELLA”。万が一のトラブルの際も、修理が日本国内で可能です。
スライダートップにはブランドロゴが刻印されています。
品番 : 796V_N
素材 : HORSE REVERSE
こちらはスエード、裏革を使用した1足。
先述の表革のモデルよりも渋く深い黒を感じます。
使い込むとさらに陰影がかる、ランダムな黒のフェード。
むしろ綺麗なままだと物足りない。退廃的な美しさを秘めています。
輪郭のはっきりしないスエードに走る1本のバックジップ。アクセサリーのような刺激が入り、全体像が引き締まります。
品番 : 796V_N
素材 : HORSE REVERSE
品番 : 796V_N
素材 : HORSE FULLGRAIN
軽い靴ではありませんが、決して歩きにくい靴ではありません。
重みと共に貫禄をしみじみと感じられる1足。
ぜひご自身のシューズコレクションに加えていただければと思います。
染色方法や実際の革の経年変化などは、別モデルのブログでご紹介しております。
GUIDI / BACK ZIP MID BOOTS “988”
どうぞ合わせてご覧くださいませ。
SHELTERⅡ 山崎




















