CAROL CHRISTIAN POELL / GOODYEAR DERBYS “AM/2600L LUC-PTC”

GOODYEAR DERBYS / CAROL CHRISTIAN POELL

10年以上大きなデザインチェンジ無く、C.C.P.が作り続けている定番ダービーシューズ。

現在ブランドが製作しているシューズ類の中で最も古いモデルでありながら、今もなお訴求力の高い不朽の名作です。

形としては典型的な外羽根式の革靴。

外見的にインパクトの強い作品も多い同ブランドのコレクションの中では比較的落ち着きを感じますが、

完成に至るまでの製造工程には常識から大きく外れた独創的なアイデアが存分に盛り込まれています。

やや長めにノーズが設定され、先端をシャープに仕上げた美しいフォルムからはドレッシーな雰囲気すら漂いますが、染色は商品を形にしてから染め上げる「製品染め」によって行われています。

今回ご紹介しているモデルに使用しているレザーは馬の臀部からのみ採取される”コードヴァン”。

この名を聞くと鏡のように磨き上げた高級紳士靴を思い浮かべる方も多いかと思いますが、あえて負荷のかかる染色方法で仕上げることで、そのイメージとは逆を行く独特の躍動感が靴に加わります。

「革に新たな命を吹き込む」そうした思いでキャロル氏は若いころから革と向き合い、数えきれないほどの実験と検証を繰り返してきました。

C.C.P.のレザーアイテムの評価が突出して高い理由には、こうした信念があることに違いありません。

トゥの反り上がりと甲部分のシワは1点ずつ手作業でブランドが理想とする形に仕上げられています。

完璧主義であるがゆえに自らシワ入れを行うという先を見据えたアプローチ。

こうすることで着用者は理想の形を安心して楽しむことができるのです。

ソールはグッドイヤーウェルト製法でタフにお使いいただけます。もちろん裏貼り、ヒール交換も可能です。

ソールの裏を覗くとシャンクの飛び出した斬新なデザインが現れます。金具は製品染めによって錆が付き、非常に物々しい雰囲気ですが、着用時にあまり目に触れる部分では無く、スタイリングには大きな影響は出てきません。

このデザインが最も影響を与えるのは着用者のモチベーションでは無いかと私は思っています。

履く人の気分を高める粋な演出。このブランドの大きな魅力の一つでは無いでしょうか。

履き心地に関してもお問い合わせを頂くことが多いのですが、店頭でご試着を頂くお客様のご感想は「想像していた何倍も歩きやすい」とのお声が多い印象です。

写真などで見るとどうしてもその堅牢な出で立ちが最初は硬さをイメージさせるようですが、ライニングにはソフトなカーフレザーを使用し履き心地にも最大限配慮。

しっかりクッションのあるオリジナルのインソールも付属いたします。

GOODYEAR DERBYS / CAROL CHRISTIAN POELL

C.C.Pがコレクションの発表をストップさせる以前にすでに完成し、今もなお生産を続けているシューズは、このダービーシューズとダイアゴナルジップブーツのみとなります。

多くの製品が廃盤となり、ラインナップが限定的になっている中で、なぜこのシューズは今もなお作り続けられるのか。

はっきりとした理由は我々にも分かりませんが、このシューズがブランド内でも相当の自信作であることは間違いありません。

天才が生み出した渾身の1足。是非皆様のシューズコレクションに迎え入れてみてはいかがでしょうか。

SHELTERⅡ 山崎

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