先日店頭では2020 A/W taichimurakamiが入荷してきました。
以前バイイング内容をインスタで投稿しましたが、2020 A/Wコレクションの中でもtaichimurakamiは私自身ナンバーワンの素晴らしいコレクションだと思います。
展示会ではアイテム個々の魅力はもちろん、これほどまでに作品に対してのプロセスがあり、それを可視化するインスタレーションには感動を覚えました。
ご存知の方もいると思いますが、taichimurakamiの洋服に使用されている生地は村上氏が糸から選出したオリジナルの生地が使用されています。
※写真は使用しているカシミアの糸になる前
本来、他ブランド含め出来上がった生地を説明するのがポピュラーなのですが、今回のコレクションは使用されている糸からtaichimurakamiのストーリーが始まります。
今回、村上氏のDNAが注ぎ込まれた糸は “紙”です。
これは衣料用に開発された “紙” なのでもちろん強度面も問題無し。
もちろん単純に “紙” を使いました、ではなくここからタイチムラカミワールドが始まるのです。
まず、この衣料用の “紙” にプリントアウトしたものは自身のアイデンティティ。
自身のクリエイションならではの村上太一(taichimurakami)という言葉がループされ、これはtaichimurakamiの作品なんだ、という事が糸の段階でメッセージとして組み込まれているのです。
もはや人間でいえば細胞レベルの事を洋服で表現。
さて、この プリントされた “紙” がどのように糸になっていくかというと、まず写真(手前)の様に “紙” を切り出します。 この段階では平紐のような感じですね。
その切り出した “紙” の紐に撚りをかけて糸にしていくわけです。(写真奥)
そうして出来上がった糸はプリントされたインクの黒が見え隠れし、独自のメランジのような表情になります。
※写真は紙糸×紙糸の生地の展示品
生地にして遠目から見ると薄っすらグレーっぽく見えるのが分かりますか。近寄るはっきりプリント部分が見えるのです。
2020 A/Wシーズンはこの紙の糸をオリーブ色に染め、カシミア、ウール、ブリティッシュウール等と掛け合わせたオリジナルの生地を製作し作品に落とし込まれております。
さらにこの紙の糸は使用するごとに雰囲気が増し、他の素材と相まって魅力が増すとのとこ。
展示会でこの説明を村上氏から直々に聞いていた私は、その魅力にどっぷりハマリ、気が付けばこの紙の糸を使用したアイテムを個人オーダー。これが展示会あるある。
とここで個人オーダーアイテムも紹介しておきます。
WORSTED WOOL(梳毛)× PRINT PAPER(紙糸)を使用したdouble breasted blazerです。梳毛×紙ゆえにさらっとした肌触りはクセになります。
せっかくならセットアップでと考えるよりも先に脳内反射で同生地のpleated L/C TRSもオーダーしていました。
(あと新作のバッファローホーン眼鏡も買ってしまいましたが長くなったので次回以降紹介します、、、)
百聞は一見にしかず、と言ってもこの紙の糸に関しては洋服の段階で見ても分かりません。なので今回長くはなりましたが写真を使ってちょっとばかり説明させて頂きました。
村上氏のDNAを肌で感じたい方、是非店頭でお待ちしております。
SHELTER2 斉藤